多嚢胞性卵巣症候群で妊娠する3つの治療とは?絶対妊娠するために必要なこと
多嚢胞性卵巣症候群の治療にはいくつもの方法があります。
多嚢胞性卵巣の程度や年齢、ホルモン数値などの状況に応じて治療方法が選択されますが、
基本的にはなるべく身体に負担の掛からない治療から始めて、それでも妊娠に至らない場合は徐々にステップアップしていくのが一般的な治療方法です。
多嚢胞性卵巣症候群の3つの治療方法と効果的な手術
多嚢胞性卵巣症候群には大きく分けると3つの治療方法があります。ホルモン療法、人工授精、体外受精がその内訳ですが、ここではそれぞれの治療を詳しくお話していきます。
特に重要な最初のステップのホルモン療法については、多嚢胞性卵巣症候群の人は必ず知っておきましょう。
治療STEP1.ホルモン療法
ホルモン療法の治療には大きく分けて3種類があります。
1.クロミッドをはじめとする排卵誘発剤の投薬療法の治療
多嚢胞性卵巣症候群の治療で最もよくおこなわれるのが、排卵誘発剤による投薬療法です。
多嚢胞性卵巣症候群は、自力で卵胞を育てて排卵することが難しい体質なので、治療薬の力を借りて卵胞を育てるアプローチがこの治療法です。
排卵誘発剤にも効果が高いもの、ゆるやかなものがあり、効果が高ければその分副作用もあることから、排卵誘発剤の使用もまずは、比較的効果は緩やかではあるものの、副作用の心配もあまりない治療薬を試していきます。
第一選択となるのは、クロミフェン(クロミッド、セロフェン)で、これが最初に試されます。
引用元:ASKAレディースクリニックより
飲み薬の排卵誘発剤の種類
・セキソビット
セキソビットは排卵誘発剤のなかでは、最も副作用の心配が少ない治療薬の一つです。セキソビットを飲んでも卵胞が育たない場合は、より効果の高いクロミッドという治療薬に変えていきます。
・クロミッド
クロミッドもセキソビット同様に卵胞を育てるための排卵誘発剤です。セキソビットよりも効果が高い反面、副作用の心配も多少あります。
特に継続して飲み続けると子宮内膜が薄くなる症状が出ることがあり、せっかく卵胞を育てても、子宮内膜が薄くて着床しにくくなってしまうことがあり、注意が必要なのです。
セキソビットからステップアップしてクロミッドを使用する人もいますが、多嚢胞性卵巣症候群の人は、最初にクロミッドからスタートする人も多いようです。私もそうでした。
多嚢胞性卵巣症候群の人の場合、卵胞を育てて排卵さえ出来てしまえば、妊娠率は一般の人と同程度を期待できます。通常、妊娠は20%程度と言われていて、健康な夫婦が毎周期タイミングを合わせればおよそ半年で妊娠できる計算です。
そのため、多嚢胞性卵巣症候群の人が排卵誘発剤を試す場合も、治療薬で排卵にいたる場合、まずは6ヶ月間を目安に妊娠にいたるように、タイミングを合わせるように医師から指導があります。
6ヶ月間、排卵さえてタイミングをあわせても妊娠の兆しが見えない場合は、排卵障害以外にも妊娠を妨げる要因が潜んでいないかの可能性も考えていきます。
例えば旦那さんの精子の運動率が平均よりも悪かったりしたら、妊娠に時間がかかるので早めに妊娠が出来るように人工授精治療を検討することもあります。
セキゾビットの場合は、6ヶ月以上継続して使用することも可能ですが、クロミッドの場合は副作用で子宮内膜が薄くなりやすくなり6ヶ月以上継続して使用しても子宮内膜が薄いので着床しにくくなるので、その点からも6ヶ月というのが、治療の一つの目安になっています。
※クロミッドを服用しても子宮内膜がさほど薄くならない人は、6ヶ月以上継続していくこともあります
2.メトホルミン療法の治療
メトホルミンとは糖尿病の治療でよく使われる血糖降下剤です。
多嚢胞性卵巣症候群の原因の一つに肥満や糖代謝異常がありますが、それらが原因と考えられれる場合は、メトホルミンを服用することで血糖値を正常な状態にキープさせる治療です。
メトホルミンを飲んで血糖値をコントロールした状態で、先ほどのクロミッドを併用することで、排卵効果が高くなる治療といわれています。
クロミッドだけ飲んでも排卵しなかった人でも、メトホルミン+クロミッドにしたときに約半数の人が排卵したという治療データもあるようです。
PCOの方は肥満であることも多く、糖代謝異常がある場合があります。インスリン抵抗性と言って、インスリンが持つ血糖を下げる作用が減弱した状態が起こっている人では、排卵障害に対して血糖降下剤であるメトフォルミンが有効な場合があります。クロミッドで排卵が得られない場合に、試してみる価値があります。
引用元:ASKAレディースクリニックより
多嚢胞性卵巣症候群の人でも、肥満や糖代謝異常が見られないケースも多く、その場合はメトホルミンは試さずに、クロミッドよりも効果の高い注射による排卵誘発剤に移行していきます。
3.ゴナドトロピン自己注射の治療
クロミッドが効かない場合、ゴナドトロピン製剤と呼ばれる自己注射での治療にステップアップします。
ゴナドトロピン製剤とは、クロミッドよりも排卵誘発効果の高い薬で、FSH製剤(卵胞刺激ホルモン)とHMG製剤(黄体ホルモンと卵胞刺激ホルモン)の2種類があります。
多嚢胞性卵巣症候群の人に、HMG製剤(黄体ホルモンと卵胞刺激ホルモン)を使用すると卵巣過剰刺激症候群といって、卵巣が腫れ上がってしまう副作用の危険もあるので、一般的にはまずはFSH製剤(卵胞刺激ホルモン)を用いて治療し、排卵を目指していきます。
ゴナドトロピン自己注射の治療は、かなり効果の高い排卵誘発剤で、約70%の確率で排卵させることが出来ます。
1周期あたりの排卵出来る可能性が70%として、排卵後の妊娠率は通常平均の20%とするならば、1回あたりの妊娠確率は約14%になります。つまり、ゴナドトロピン自己注射+タイミング法を6ヶ月継続すれば60%前後の確率で妊娠が期待できる治療ということになります。
クロミッドだけの治療の場合は、1周期あたり自己負担で2000円から5000円程度ですが、自己注射での治療になると1周期あたり自己負担で1~2万円前後かかります。
自己注射での治療は最初に、病院で注射の打ち方の指導があるので、それでプラス数千円程度更かかるので、最初の月はちょっとした負担になりますね。
治療STEP2.人工授精の治療
多嚢胞性卵巣症候群の場合、最初はクロミッド+タイミング法という組み合わせが一般的です。
ただ、もともと子宮内膜が薄かったり、夫側の精子の運動率が低いケースでは、そのままで妊娠の確率が低いので、最初から人工授精治療をすることもあります。
「クロミッド+人工授精」もしくは「ゴナドトロピン自己注射+人工授精」の組み合わせになっていきます。
多嚢胞性卵巣症候群は、1回の排卵のチャンスがとても貴重です。今回排卵できても次回同じように、治療薬が効く保証はありません。
毎周期ごとが勝負でもあるので、ちょっとタイミング法では、難しいかもと医師が判断したら、クロミッドを6周期試す前に人工授精治療にステップアップしていくことは珍しくありません。
治療STEP3.体外受精の治療
多嚢胞性卵巣症候群で最初から体外受精治療になるケースは稀です。人工授精を複数回試してみても、どうしても妊娠に至らない場合は体外受精治療を検討していきます。
排卵はできるものの妊娠に至らない、もしくは注射は効くものの卵胞数が多すぎて治療キャンセルが続いた場合などには検討しても良い治療法です。体外受精の時は、卵胞数が多くても、採卵して受精卵を凍結保存するなどして副作用と多胎妊娠を回避することができます。
引用元:ASKAレディースクリニックより
体外受精は1回あたりの費用がかなり高額になるため、自治体から補助金が出る地域が多いです。
それでも自己負担は治療1回当たり20万前後はかかるので、体外受精まで進む場合はあらかじめ何回まではチャレンジすると、夫婦で事前に話し合ってから、臨むようにしましょう。
効果的な手術.腹腔鏡手術療法の治療
腹腔鏡手術の治療とは、電気メスやレーザーで卵巣の表面にたくさんの穴をあけることで、排卵しやすくさせる治療手術です。卵巣に小さな穴を複数開けておくことで、そこから卵子が排卵されやすくなります。
腹腔鏡手術をしてから6ヶ月間は特に排卵がおきやすく、その6ヶ月の間に妊娠を目指していくことになります。
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腹腔鏡手術は全身麻酔で行うため、数日間の入院が必要となります。また手術の効果が生涯続くのではなく、一年ほどで元通りになってしてしまうことです。従って手術を行った後は、人工授精や体外受精などを積極的に進めてゆく方が良いと考えます。
引用元:ASKAレディースクリニックより
ただし、その治療効果は1年程度で、6ヶ月から1年経過すると卵巣が徐々に元の状態に戻ってしまいます。また、腹腔鏡手術は全身麻酔でおこなわれるので、入院が必要になってくる手術です。
・手術費用
手術費用は自己負担額で20万円前後のところが多いようで、入院期間にかかる宿泊費などもろもろ含めるとトータルで40万円前後必要になってきます。
・入院期間
入院期間は早ければ2,3日。体調の回復具合によっては1週間程度必要になります。
腹腔鏡手術の治療をすることで、クロミッドなどの排卵誘発剤が効きやすくなるとも言われ、年齢的な部分でなるべく早く妊娠を目指したい場合などは、腹腔鏡手術の治療をして、排卵誘発剤+タイミング法、もしくは排卵誘発剤+人工授精などの組み合わせ治療で早期に妊娠を目指していきます。
多嚢胞性卵巣症候群と診断されたら原因にあれこれ思い悩むよりも今出来ることを
多嚢胞性卵巣症候群と診断されると、正直落ち込みます。私は落ち込みました。
でも多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠して出産できている人はたくさんいるということも同時に知っておいて欲しいです。
妊娠にいたるまでには時間がかかることもあるかもしれません。
時には涙が止まらない日もあります。
私も妊活中、いつか報われる日が来るのだろうかと不安に感じた日もあります。
でも多嚢胞性卵巣症候群は排卵さえ出来てしまえば、妊娠できることも多いのであまり思い悩みすぎずに、前を向いて過ごしていきましょう。
もしかしたら次の周期に、こうのとりがやってくるかもしれないですから。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の妊娠に大切な二つのこと
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は自力での排卵が難しい体質です。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊娠するために大切なことは二つあります。
1.排卵させること
とにかく排卵させないことには妊娠は出来ません。排卵誘発剤など医療の力をかりながら、まずは排卵させることが大切です。
2.確実に受精卵を着床させること
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合は、健康な人よりも排卵のチャンスが少ないので、妊娠の確率を上げるためには数少ない排卵のチャンスを逃さないようにするのがとても重要になります。
妊娠するためには受精卵が子宮内膜に着床する必要があるのですが、この子宮内膜がふかふかになっていないと着床できないのです。
子宮内膜をふかふかにするために必要なこと。
それが葉酸サプリの摂取なんです。
葉酸は子宮内膜の強化や受精卵を作って守るという子宮内環境を良くする効果があります。葉酸は、不妊治療中の女性のみでなく、男性にも飲んで頂きたいサプリメントです。葉酸が不足していると精子の染色体に異常が起こる確率が高くなると言われています。
葉酸は妊娠を考えはじめた時から服用しましょう。
葉酸サプリは赤ちゃんの先天性異常を防いでくれるだけでなく、子宮内膜をふかふかにしてくれるサポートをしてくれます。
スウェーデンをはじめ海外では妊娠したい人が葉酸サプリを摂取するのは常識になっていますので、最長9年という長い時間を要しているとはいえ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の研究結果で妊娠率86.7%の確率で妊娠出産ができたという結果には、このような背景があるんですね。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊娠したいと思ったときに、妊娠率をあげるためにも葉酸サプリの摂取だけは最低限欠かさないようにしてくださいね。
多嚢胞性卵巣症候群で妊娠を目指すには最適な葉酸サプリを飲むのがとっても大切でした
【多嚢胞性卵巣症候群の私でも妊娠できました】
排卵のチャンスが少ない多嚢胞性卵巣症候群の私に大切だったのは、少しでも着床の可能性を上げること。
着床の可能性を上げるためには子宮内膜をふかふかにしておくことがとても大切です。
子宮内膜をふかふかにするには葉酸サプリを飲むことがポイントなんですが、実は葉酸サプリには、多嚢胞性卵巣症候群にはおすすめできないものがたくさんあって間違った葉酸サプリだけは選ばないことが大切なんです。
また、葉酸サプリは赤ちゃんの先天性異常を72%も軽減するといわれ、厚生労働省も妊娠を望む人は葉酸サプリを積極的に飲むように勧告をしているほど、大事なものなんです。
多嚢胞性卵巣症候群の私が大切にした葉酸サプリの選び方を公開しています。
→多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠するために大切な葉酸サプリの選び方はこちら(*^_^*)
葉酸サプリは妊娠したいと思ったその日から飲み始めてあげる。
それがママが赤ちゃんにしてあげられるやさしさでもあるんです。
【子宮内膜ふかふかで妊娠成功!】多嚢胞性卵巣症候群だった私の妊活体験談を公開しています。
→多嚢胞性卵巣症候群だった私の妊活体験談はこちら(*^_^*)