多嚢胞性卵巣症候群の妊娠の確率は?妊娠率86.7%は本当か
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠できる確率はあるのか。妊娠率はどのくらいあるの確率なのか気になる人は多いと思います。
スウェーデンの大学の研究チームによる妊娠率の確率の研究調査によると多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の妊娠率は86.7%の確率というデータが発表されています。
METHODS A total of 91 patients with confirmed PCOS and 87 healthy controls were included in the study. Patients had been diagnosed between 1987 and 1995 and at the time of the follow-up, subjects were 35 years of age or older.
RESULTS Among women who had attempted a pregnancy, 86.7% of PCOS patients and 91.6% of controls had given birth to at least one child. Among PCOS patients who had given birth, 73.6% had done so following a spontaneous conception.【要約】
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された女性91名と健康な女性87名を対象に、1987年から1995年にかけて実施。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された女性のうち86.7%の確率で一人以上の子を出産し、そのうち自然妊娠で出産したのは73.6%の確率だった。
この妊娠率の研究調査は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された女性91名と健康な女性87名を対象に、1987年から1995年にかけて、実施されました。
この妊娠率の追跡調査の結果、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された女性の実に86.7%もの人が1人以上の子供を出産していたのです。
同じ妊娠率の調査で判明した、健康な女性の妊娠率は91.6%の確率というデータと比較すると多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の妊娠率は若干低くなりますが、それでも妊娠率86.7%の確率という数字をみるとかなり高い確率で妊娠出産が出来るんだと感じられます。
多嚢胞性卵巣症候群の自然妊娠の妊娠率の確率は73.6%と低くないように見えるけど…
この妊娠率の追跡調査の結果によると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊娠できた人のうち自然妊娠で出産できた人の割合は73.6%の確率でした。
この妊娠率の数字は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも妊娠出産できた86.7%の人達のなかでの確率の数字ですので、妊娠できなかった人も含めたトータルの母数から考えると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で自然妊娠できる妊娠率の確率は63.8%ということになります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)100人のうち
63.8人は自然妊娠することができる
22.9人は人工授精か体外受精で妊娠することが出来る
13.3人は残念ながら妊娠することが出来なかった
この妊娠率の確率の研究結果を要約するとこのようなイメージになります。
ここでいう自然妊娠というのはタイミング法で妊娠出産できたという意味になります。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の人の場合は、自力で卵胞を育てて排卵させるのが困難なので、ほとんどの場合で飲み薬や注射などによる排卵誘発剤を使用します。
この妊娠率の研究結果における自然妊娠という意味は決して、投薬治療などなにもせずに病院にも行かずに妊娠できたという意味ではありませんので注意が必要です。
あくまでも排卵誘発剤など医学の力もかりながら排卵させて、そのあとにタイミング法で妊娠出産できたということですので、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ではない健康な女性と同じくらい簡単に妊娠できるとは思わないほうがいいでしょう。
この研究は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも9年あれば86.7%が妊娠できるということ
それでも、ここまでの妊娠率の数字だけを見ると、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも簡単に妊娠することが出来るんだなと感じてしまいますが・・・この妊娠率の確率研究は1987年から1995年にかけての追跡結果になります。
つまり、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)でも9年間あれば妊娠率86.7%の確率で妊娠出産ができるよという数字なんですね。
9年って長いですよね・・・・
芸能人の矢沢心さんも多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の不妊治療をされていたのですが、お1人目のお子さんを授かるのに実に6年間もの月日が掛かったとおっしゃっています。
この間、矢沢心さんは様々な努力や苦労を乗り越えてようやく妊娠出産にたどり着けたとご自身の著書でお話されているように、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)というのは健康な人に比べると妊娠しにくいというのは事実なんです。
更にスウェーデンは予防医学の先進国であることを考慮しなければいけないんです
更にこれらのデータはスウェーデン国内の女性を対象にした妊娠率の確率の研究結果です。以前、虫歯の予防にキシリトールが有効だとわかり日本でもキシリトールガムが流行して、今では当たり前のようにどこのコンビニでも買えるようになりましたよね。
あれ、実はスウェーデンから世界中に広まったんです。
スウェーデンは福祉医療大国とも呼ばれていて、福祉や医療がどこの国よりも充実しています。スウェーデン国民の医療費の自己負担額は年間でも最大1万円までとなっており、それ以外は全て税金でまかなわれているほどなんです。
医療費をほぼ無料にできるひとつの要因は、病気の予防医学が発達しているからなんです。
キシリトールが好例ですが、虫歯になるまえに虫歯を防ぐことのほうが大切という考え方でそこに力を入れれば結果的に国が税金で負担する医療費も少なく抑えられます。このような環境の要因があることから、スウェーデンでは予防医学が発達していて、それは妊娠についても例外ではありません。
海外の女性は妊娠するために葉酸を積極的に摂取しています
スウェーデンに限らず、海外では予防医学の観点から、妊娠したいと思ったときからすぐに葉酸の摂取を始めるのが常識になっています。
葉酸というのは生まれてくる赤ちゃんのダウン症などに代表される先天性異常のリスクを軽減してくれます。
特に妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸を積極的に摂取することで、この先天性異常のなかの二分脊椎症の発症リスクを72%も低減出来るという研究データが世界中で発表されており、現在では妊娠を計画する人には葉酸は必須の栄養素となっています。
葉酸と神経管閉鎖障害の症例対照研究
研究:Milunskyら、1989(CDC、1992年発表)
計画:前向きコホート研究ニューイングランド
対象:NTD児と正常児、NTD児の妊娠歴のない妊婦
結果:72%のリスク低減
葉酸と神経管閉鎖障害の症例対照研究
研究:Bowel、Stanley1989(CDC、1992年発表)
計画:症例対照研究オーストラリア西部
対象:二分脊椎児と正常児、NTD児の妊娠歴のない妊婦
結果:75%のリスク低減
葉酸サプリと神経管閉鎖障害リスクに関する介入研究
研究:Czeizel、Dudas1992
計画:無作為割付介入研究ハンガリー
対象:妊娠を計画している女性
結果:完全に予防
これらは世界中で行われている葉酸についての研究のごく一部のものですが、このように多くの研究結果で葉酸の効果を裏付けられて、その効果が解明されており、現在では世界各国で妊娠を望む人や妊娠中の人は積極的に葉酸を摂取しなければいけないというのは常識になってきています。
実は日本は葉酸後進国と言えるほど、妊娠と葉酸の重要性に気が付くのが遅かったのです。世界中では既に25年以上前からこのような研究成果が解明され、各国では広く重要性を告知してきましたが、日本はそれに順ずる形でだいぶ時間が経過した2000年を過ぎたごろからやっと葉酸の重要性を国内に告知しはじめたのです。
妊娠したいなら葉酸、妊娠したら葉酸というのは世界中で常識となっていますが、日本で葉酸と妊娠の重要性を知らない人がいるのは、このような背景があるからなのです。
葉酸は水溶性のビタミンの一種なので妊娠の為に必要な量を食事だけで補うのはとても困難とされていて、妊娠したい女性に必要な400μg/日を摂取するには茹でたほうれん草を毎日8束も食べ続けなければいけないことになります。そのため海外をはじめ日本の厚生労働省でも妊娠したい人は、葉酸サプリから効率よく葉酸を確実に摂取するようにと勧告されています。
諸外国でも日本においても神経管閉鎖障害のリスク低減の観点からは、食事からの葉酸に加えて栄養補助食品からの葉酸を摂取するよう勧告されています。
食品からの葉酸摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4mgの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクが集団としてみた場合に低減が期待できる
スウェーデンの多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の研究結果で86.7%の確率で妊娠出産ができるというのには、実はこの葉酸の影響も隠されているんです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の妊娠に大切な二つのこと
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は自力での排卵が難しい体質です。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊娠するために大切なことは二つあります。
1.排卵させること
とにかく排卵させないことには妊娠は出来ません。排卵誘発剤など医療の力をかりながら、まずは排卵させることが大切です。
2.確実に受精卵を着床させること
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の場合は、健康な人よりも排卵のチャンスが少ないので、妊娠の確率を上げるためには数少ない排卵のチャンスを逃さないようにするのがとても重要になります。
妊娠するためには受精卵が子宮内膜に着床する必要があるのですが、この子宮内膜がふかふかになっていないと着床できないのです。
子宮内膜をふかふかにするために必要なこと。
それが葉酸サプリの摂取なんです。
葉酸は子宮内膜の強化や受精卵を作って守るという子宮内環境を良くする効果があります。葉酸は、不妊治療中の女性のみでなく、男性にも飲んで頂きたいサプリメントです。葉酸が不足していると精子の染色体に異常が起こる確率が高くなると言われています。
葉酸は妊娠を考えはじめた時から服用しましょう。
葉酸サプリは赤ちゃんの先天性異常を防いでくれるだけでなく、子宮内膜をふかふかにしてくれるサポートをしてくれます。
スウェーデンをはじめ海外では妊娠したい人が葉酸サプリを摂取するのは常識になっていますので、最長9年という長い時間を要しているとはいえ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の研究結果で妊娠率86.7%の確率で妊娠出産ができたという結果には、このような背景があるんですね。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で妊娠したいと思ったときに、妊娠率をあげるためにも葉酸サプリの摂取だけは最低限欠かさないようにしてくださいね。
多嚢胞性卵巣症候群で妊娠を目指すには最適な葉酸サプリを飲むのがとっても大切でした
【多嚢胞性卵巣症候群の私でも妊娠できました】
排卵のチャンスが少ない多嚢胞性卵巣症候群の私に大切だったのは、少しでも着床の可能性を上げること。
着床の可能性を上げるためには子宮内膜をふかふかにしておくことがとても大切です。
子宮内膜をふかふかにするには葉酸サプリを飲むことがポイントなんですが、実は葉酸サプリには、多嚢胞性卵巣症候群にはおすすめできないものがたくさんあって間違った葉酸サプリだけは選ばないことが大切なんです。
また、葉酸サプリは赤ちゃんの先天性異常を72%も軽減するといわれ、厚生労働省も妊娠を望む人は葉酸サプリを積極的に飲むように勧告をしているほど、大事なものなんです。
多嚢胞性卵巣症候群の私が大切にした葉酸サプリの選び方を公開しています。
→多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠するために大切な葉酸サプリの選び方はこちら(*^_^*)
葉酸サプリは妊娠したいと思ったその日から飲み始めてあげる。
それがママが赤ちゃんにしてあげられるやさしさでもあるんです。
【子宮内膜ふかふかで妊娠成功!】多嚢胞性卵巣症候群だった私の妊活体験談を公開しています。
→多嚢胞性卵巣症候群だった私の妊活体験談はこちら(*^_^*)